依存症になるメカニズム5

依存症になると耐性の影響や離脱症状が治まった後も、長期に渡って依存対象を欲することが多くあります。これは長年に渡って依存対象を断っている人にも起こる症状です。

依存対象物が脳や身体の機能に直接影響を及ぼしている間に、我々の脳はそのすみやかな効果についても学んでいます。

例えば:

  • 「お酒を飲んだら眠れた」
  • 「薬物を使ったら仕事がうまくいった」
  • 「ギャンブルをしたら嫌なことが忘れられた」
  • 「ゲームをしたら不安が減った」

などと一度学習した脳は、次に似たような状況で困った時に依存対象を思い出し、「今すぐこの苦痛や嫌な気分を切り替えたい」と渇望するようになります。

その際、他の大切な物事(仕事、あるいは家族や友人との関係)のことを忘れ、その依存対象のことで頭がいっぱいになってしまうこともめずらしくありません。

依存対象の効果は身体や心の痛みの軽減から、気分やパフォーマンスの向上など多岐にわたり、人それぞれで異なります。

それゆえ、依存症からの回復には、脳や身体の機能だけでなく、依存対象が代わりに務めていた精神的な機能の回復も重要な課題となります。