動機付け面接の基礎となる信頼関係を築くには:
『動機付け面接の精神:PACE』に基づいて相談者・患者さんに接しましょう。
- パートナーシップ:Partnership
- 医療・支援者は治療の専門家ですが、相談者の気持ちや状況を一番熟知しているのは相談者ご自身です。一方的に医療・支援者の考える目標を押し付けるのではなく、相談者の考えやニーズを尊重しながら、協力して治療・支援を進められる温かい関係を築きましょう。
- 受容:Acceptance
- 相談者の自律性を受容しましょう。そのためには、相談者の内面にある力を信じ、相談者自身の考えを尊重することが重要です。これにより、相談者は自身の持つ力を信じ、「変わりたい」と言えるようになります。
- 思いやり:Compassion
- 相談者の抱える悩みや苦しみ、両価性に寄り添い、相談者の福祉を最優先させましょう。
- 引き出す:Evocation
- 「相談者が回復に足りないものを与える」という姿勢ではなく、相談者が持つモチベーションや資源(例:今までの経験から得た洞察や知恵、対応力など)を引き出しましょう。
ウイリアム・R・ミラー、ステファン・ロルニック著、原井弘明監訳:「動機づけ面接(上)」星和書店、2019年